ドコモの学割は利用者が25歳以下であれば、誰でも利用できる割引サービスです。子供がいる家庭の場合、この学割サービスを利用して親の携帯電話料金を節約することはできるのでしょうか。
学割は25歳以下の利用者が対象のサービスなので、あくまで常識の範囲内で利用すべきということは当然ですが、今回はそういったことが出来るのか考えてみましょう。
親の携帯電話料金は安く出来る?
「子供の学割サービスを利用して、親の携帯電話料金を安く出来るか」。
結論から言うと、「安くすることは出来ます」。
子供の学割を使って安くすることは出来ますが、それには以下のような注意点があるので理解しておくことが必要です。
・利用者登録を子供の名義にすれば、親が利用しても割引される
・年齢の下限制限はない。赤ちゃんでも利用可能だが、受け付けてくれないケースもあり、常識の範囲内での利用を。
・LINEのID検索が出来なくなる
・他キャリアにMNPした方が安いケースもある
このように、親が子供の学割を利用する際に注意点はありますが利用すること自体は可能です。次の章からは、これをもう少し詳しくみていきましょう。
ずっとドコモ割とどちらがお得?
ドコモには25歳以下であれば利用することが出来る学割サービスとは別に、長期契約の場合に月額料金が割引になる「ずっとドコモ割」というサービスがあります。これらの2つのサービス、学割とずっとドコモ割はどちらがお得なのでしょうか。
学割解約新規して得するのは、料金割引とスマホの機種代金
まず、学割の場合とずっとドコモ割を利用する場合を比較してみましょう。条件としてはシンプルタイプのプランでiPhone7を契約した場合とします。この場合の料金は以下のようになります。ここではデータパックは家族で契約済みのシェアパックを活用することとします。またドコモの契約年数は10年以上とします。
割引タイプ | 学割 | ずっとドコモ割 |
プラン | シンプルプラン | シンプルプラン |
月額料金 | 734円 | 1480円 |
この比較結果を見ていくと、「学割」は「ずっとドコモ割」に比べて月額料金がかなり安くなることがわかります。
料金割引の見極め方
先ほど、学割とずっとドコモ割の具体的な料金を掲げました。今度は、これを踏まえて学割とずっとドコモ割のどちらにするかという選択をする場合に、何がポイントになるのか考えていきましょう。
・すでに800円以上の割引があるのであれば、違約金などの関係もあり、そのままの方が良い
・ずっとドコモ割が月額1500円以上の割引になっていれば、ずっとドコモ割を選ぶべき。
→学割は毎月1500円の割引
・ずっとドコモ割が月額1500円以下の割引であれば、変更する価値あり
・フリープランなら学割を選択すべき
学割とずっとドコモ割のどちらを選択するかは、こういった点を選択のポイントにすると良いでしょう。
端末価格の見極め方
ここで確認しておく必要があるのが、端末価格です。iPhone8を購入する場合の端末価格は、どれくらいなのでしょうか。「機種変更」と「新規契約」の両方のケースで確認しておきましょう。
契約タイプ | 機種変更 | 新規契約 |
機種 | iPhone8 | iPhone8 |
機種代金 | 3699円×24回 | 945円×24回 |
購入サポート | -2403円×24回 | なし |
キャンペーン | なし | -8424円 |
実質負担金(月額) | 1296円 | 945円 |
実質負担金(総額) | 31104円 | 14256円 |
これを見ると、機種変更に比べて新規契約の場合はかなり支払い金額がお得になることがわかります。
他社へMNPした場合の金額は
先ほど場合によっては、「他キャリアへMNPした方が安い」ケースがあると説明しました。では、具体的に転出した場合はいくらくらいになるのでしょうか。先ほどiPhoneでのドコモの契約時の金額を取り上げましたが、この中では一世代前のiPhone7が端末も安くなっており、非常にお得であると説明しました。
では、ドコモから各社へのMNP転出した場合で、iPhone7を選択するとどのくらいの金額になるのでしょうか。ちなみに、ソフトバンクについては、シンプルタイプのプランがありませんのでかけ放題ライトの金額を記載しています。
<au、ソフトバンクの参考最安価格>
割引タイプ | au | ソフトバンク |
プラン | auピタットプラン | スマ放題ライト |
月額料金 | 1480円 | 3980円 |
備考 | シンプルタイプではなくかけ放題ライト |
これを見ると、ドコモで機種変更した場合の実質負担額が月額1296円であることを考えると、あまりお得であるとは言えないと考えられます。また、MNPをする場合は、2年間の定期契約をしている場合に解約金を支払う必要があるケースもあります。ドコモの場合の解約金は一律で9500円となっています。また、当然ですが契約後2年以内などで端末代金の支払いが終わっていない場合は、支払いをまとめて行う必要があります。その他にも、家族で利用している場合は、家族割のサービスが受けられなくなる、長年ドコモを利用していてずっとドコモ割でかなり月額料金が割り引かれているケースでは割引がなくなるといったデメリットがあります。
ちなみに、解約金についてはソフトバンクでもauでも携帯電話キャリアの方で負担してくれるようなキャンペーンが行われているケースがあるので、確認してみましょう。
こういったことを考えると、MNPによって月額料金が安くなるなどのメリットはありますが、長年ドコモを利用している、家族でドコモを利用しているなど、MNPがおすすめ出来ないケースもあるので、お得になるのかどうかしっかりと判断してから決めることが大切です。
申し込み方法
実際に子供の学割を使って親が利用する場合、どのように申し込みをすれば良いのでしょうか。また、申し込み自体はどこで出来るのでしょうか。
具体的に子供の学割を使って、親が携帯電話を利用する場合は、以下の2つの方法があります。
・子供の名義で契約する
・親の名義で契約し、利用者登録を子供の名前でしておく
これはどちらでも良いのですが一点気をつけておくべきことがあります。それは、「小学生以下は契約名義にはなれない」ということです。したがって、子供が小学生以下の場合は、「親の名義で契約し、利用者登録を子供の名前でしておく」方法しかありません。
子供の学割で親が携帯電話を使うには、こういった方法を選択する必要があります。
さて、改めて実際に学割を申し込む方法について見ていきましょう。
先ほどの「親が子供の学割を利用する方法」について、2つの方法があること、そして子供が小学生以下の場合は、親の名義で契約して子供を利用者にするということはおわかりいただけていると思います。
実際に申し込む際には、2つの方法で手順などが変わるのでしょうか。
まず、申し込む際には「本人であることを確認」「年齢を確認」などのために、本人確認書類が必要になります。この際には、以下のように本人確認書類が必要となります。
・親名義で契約し、子供を利用者とする:親と子供の両方の書類が必要
・子供の名義で契約する:子供の書類が必要
申し込みの際に利用できる証明書類には、次のようなものがあります。
・健康保険証
・マイナンバーカード
・住民票
など
もちろん、18歳以上などで運転免許証を持っている場合はそれも使うことが出来ます。これらの書類は事前に準備をした上で申し込みを行いましょう。実際の学割の申し込みは、以下のように店舗やインターネットでも出来ます。
・ドコモショップ
・家電量販店
・ドコモオンラインショップ
これらの方法で申し込む際に、先ほどの年齢確認書類を提示することで、25歳以下であれば自動的に学割が適用になります。
メリットとデメリット
親が子供の学割を使って携帯電話を利用する場合、どういったメリットやデメリットがあるのでしょうか。
<メリット>
子供の学割を使って親が携帯電話を利用する場合のメリットは以下のようなものです。
・月額料金が安くなる
メリットは何と言っても「料金が安くなる」ことです。学割を使うことで、1年間の限定とはなりますが毎月1500円の割引が受けられます。では、逆にデメリットにはどういったものがあるのでしょうか。
<デメリット>
今度はデメリットを見ていきましょう。以下のようになります。
・既存契約を解約して新規に契約する必要があるので、電話番号が変わる
・LINEのID検索は18歳未満で登録する場合、使えません
・子供名義で契約すると、手続き時に子供の来店が必要
加えて、あまり小さい子供を利用者にすると、店頭で少々気まずいかもしれません。このように、子供の学割を利用して親が携帯電話を使う場合はいろいろとメリットやデメリットがあります。実際にこういった使い方をする場合は、これらをしっかりと理解しておきましょう。
まとめ
学割を子供が使っていて、「安くて良いな」と思ったことはありませんか。また、「学割を親が使えないか」考えたことのある方も多いのではないでしょう。
実は「子供の学割を親が使うことが出来る」のです。
と言っても、ドコモの学割は25歳以下という年齢制限があります。大多数の親は25歳以上だと思われますので、この制限にひっかかってしまいます。では、どのようにするのでしょうか。
それは今回紹介したように以下のような2つの方法を使うのです。
・子供の名義で契約した携帯電話を親が使う(子供が12歳以下の場合は使えない)
・親の名義で契約して、子供を利用者として登録しておく(子供が12歳以下でも使える)
これには今回紹介したようにメリットやデメリットがあります。もちろん料金が安くなるのは良いのですが、新規契約になり番号が変わってしまうといったこともそれらの一つです。
このように、子供の学割を親が利用することはメリットもデメリットもあります。そして忘れてはならないことは、基本的には「学割は25歳以下を対象としたサービス」です。親が子供の学割を使うことは出来ますが、節度ある使い方を心がけることが大切です。